歌う蕾―星咲花那さんライブ感想文

 

 

 

0, はじめに

 この記事は、おかなちゃんの愛称で親しまれている、星咲花那さんが出演したライブに、僕が実際に足を運んで感じたことをまとめたものになっています。性懲りも無くやります。毎回おんなじようなこと言ってるような気がしてきましたが、記事に関しては思ったことしか書きません。ネガティブなこともポジティブなことも全部、全部書きます。勢いに任せてしまったがゆえに、文体がテキトーだけど、許してください。あと、今回はそんなに怪文書じゃないと思います。

(追記: 読み返してレポでもなんでもねぇなこれって思ったので、感想文ってタイトルに変えました。許して)

 

 

 この後の文章でオタク=エゴイズムを発散したくないので、最初にぶちまけておこう。僕は音楽が好きです。大好きです。特にクラシック音楽が大、大、大好き。今から西洋音楽史を、バッハからカプースチンまで広げて、お話してあげたっていい。オプションでアイカツのキャラクターになぞらえて、その歴史を辿ることだってできる。ドイツ3大BがいかにSHINING LINE*かを、ついでに言うとブラームスがなぜ大空あかりちゃんなのかを、キング牧師級の演説でお届けしよう*1I have a dream……

 それはさておき、僕はクラシックだけじゃなく、ほかのジャンルの音楽も積極的に摂取しようとしています。作曲の知識こそ薄いものの、どんな音楽にも歴史が根付いていて、どんな音楽が人の心を動かし続けてきたかということは、素人であろうとちょっぴり伺えます。音楽の持つ潜在的な「人を動かす力」を信じているから、仕事も音楽に関わることを選びました

 

 

 

 ここから先の話は、僕がリスペクトしてやまない、これからシンガーソングライターとして大きく花開こうとしている星咲花那さんの話です。最初に星咲花那さんに関する前提を共有して、そのあと本筋に入りたい。前提というのは、至極単純、次のたったひとつ。

 

 

 

・星咲花那さんって誰?

歌がハチャメチャに上手くて、可愛いお姉さん。

 

 

 

 何を騒つく必要があるんだい。よく聞こえないよ、耳にバナナが入っててな。ポプテピピックなら見たことがあるよ。続けてもいいかな?*2

 

 

 

 僕はワケあって、星咲花那さんのライブに2回行きました。2回分のレポを書くとツイッターの文字数をフルフルに使ったpost300回分はゆうに超えてしまいそうなので、直前に行われた渋谷gee-ge.で行われたライブイベント「ウダガワガールズコレクションVol.353」のレポに絞って書くことにします。どうか最後までお付き合いください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1, オープニングアクト

 

 4月14日、日曜日、渋谷。渋谷というのはいつ来ても魔境です。ありとあらゆる人種がじっくりコトコト煮込まれてできたであろう街並みで、同じ風景がひとつもない。駅前には、ただひたすら横断歩道を撮影する外国人がいれば、駅から少し離れたライブハウスには、ただひたすら階段に並ぶオタクもいるんですから。

 この日、渋谷にあるライブハウスgee -ge.に星咲さんが登場するということを聞きつけた僕は、その行列の中にいました。この日のイベント「ウダガワガールズコレクションVol.353」は、うたを歌って夢を追う女性シンガーソングライターの皆さんが集まるイベントで、このオープニングアクトとして星咲花那さんが登場するということで、無数のアイカツのオタクファンたちが駆けつけていました。

 

 

 実は、この手の小さな箱で座って弾き語りを聞くようなタイプの音楽イベントは、僕にとって初めての経験でした。チケットを貰う時に「誰目当てで来ましたか」なんてことを聞かれたのも、初めて。誰目当てで来た人が、どれだけいるのか、という数字が出ちゃうんです。なんてリアルな世界なんだと初っ端から考えてしまいました。だけどこれは決して冗談じゃあなかった。歌を使う世界ってのはハナっから「リアル」まみれだったことに、僕は後で気づきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2,  オンステージ

 

 開演時間を少し過ぎた頃、僕らのすぐ横を通り過ぎて、すっと舞台に立ち、スポットライトを浴びたのが、星咲花那さん。このイベントのスタートです。

 最初に、星咲さん自身の口から、アイカツの歌唱担当をやっていたことと、これからはシンガーソングライターとして活動できたら良いという旨の話があって、新しい世界の扉が開いたのをはっきり感じました。星咲花那を知ってる人!と聞かれたので、ロケット花火のごとく勢いで手を挙げてしまった。プレミアムドリーミングハートしてしまうところだった。

 

 

 

 Crow Songから始まったステージはちょっぴり緊張感がありました。ひとりで歌うのは、3月末に品川で行われたディアステージのイベント "DSweek"以来だったから、ご本人の緊張なのか我々の緊張なのかはわかりませんでした。けど、コールアンドレスポンスが楽しくて、だんだんと雰囲気が高揚していったのが記憶に残っています。

 2曲目はお得意の「アイネクライネ・夜のムジーク」。これはカバーではなく本人が歌ってるからよーくわかるんですが、口からCD音源って奴なんですよ。DSweekのときもそうだった。どう考えても星咲花那.wavに聴こえるんだけど、口とのタイミングがばっちりでね。いやいや、ちゃんと歌ってるんだよ。S◯A◯の中◯くんとかAK◯の人たち*3とかとは、訳が違う。歌い出しでおかなちゃんの口から飛んでくる「セレナーデ」という歌詞の部分の周波数帯域で、産まれたての人間の子鹿になってしまうんだ。感動のあまりclapすることすら忘れて、四つ脚でプルップルだ。ぜひこれは予習をして聴きに行って欲しい。あまりに巧すぎて笑えてくるんだから、笑いと感動のエンターテイメントってのはこのことだってのがわかる。

 ムジークのあとは、「ダイアモンドクレバス」が飛んできた。先述したDSweekのイベントのときもマクロスFが選曲されてたから、星咲さんはマクロスFが好きらしい。いや、もしかすると我々の世代にストレート170kmでぶっ刺さるメジャー級の媚びなのかもしれない。実のところ、僕もこの曲が大好きで、めちゃめちゃ深い思い入れがあるというとマクロスのオタクに失礼になるかもしれないが、宮ヶ瀬湖*4ぐらいの深さはある。

 

 

 

 冷静に饒舌をやってのけていると、画面の前の貴方は思うかもしれない。ところがどっこい、現場での僕は号泣でしたあんまり歌が上手いので、感動で泣いてしまった*5マクロスF放映当時の自分のこともちょっと思い出してしまった。まだ夢が溢れていた頃の話です。

 「またオタクのエゴかよ、それは歌のせいじゃなくて、お前が勝手に感傷に浸ってるだけだろ」と言いたくなる気持ちもわかります。一理も、1ミリもないとは言えない。だけど、少し落ち着いて考えてみよう。仮に歌が微妙だったら、音程を筆頭とした音のブレに気が行ってしまわないだろうか。自分の感情が昂ぶるっていうのは、歌への興味や集中力が切れなかった証で、本当にその人の歌が美しくないと実現できないことだと僕は思います。

 

 

 

 このブログを継続して読んでくれている聡明な読者の皆様の中には、アイカツシリーズでの星咲花那さんの活躍を既にご存知の方も多いのではないでしょうか。キャラクター毎の音色の幅広さ、ビブラートの間隔と加減、ファルセットの美麗さ、声量の力強さ*6、超音波、そして何よりリズムや音程の正確さ。「プロとして当たり前のライン」というのが音楽の世界にはあって*7、それを理解した上ですべて自分でコントロールしているのがしっかりと感じられる歌い方なんです。その衝撃ときたら、ありゃしない。具体的な例を挙げると、星咲さんはDSweekのステージで間奏部分のオブリガートを歌ってくれていたのですが、あまりの総合的歌唱力を目の当たりにした僕は、振っていた光る棒を静かに下ろしてしまった

 

 

 

 これらのことからわかるのは、一言で言ってしまうと、めちゃくちゃ努力しているということ。あの数十分のステージのために、これまで血の滲むような練習と経験値を積み重ねてきたに違いありません。仮にこれが私の妄想の範疇を出なかったとしたら、それはもう才能だ。天才

 僕たち人間は単純化が好きです。敵と味方、のように二分化することを特に好みます。だけど人間はニ種類には分けられない。単純に「持つ者」と「持たない者」という枠組みだけでは、決して分別できない。例えば「持つもの」といえど、最初から持っている者もあれば、後から持てるようになった者もある。

 この文を読んだ貴方は「後から持てるようになったとしたら、努力ができたということで、それこそ最初から努力の才能を持っていたのでは」というふうに思うかもしれません。その通りなんです。だから、星咲花那さんはいずれにせよ「天才」だということがわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3, シンガーソングライターズ

 

 星咲さんのライブ目当てで来たのは紛れもない事実だけど、それとはまた別に、有象無象のシンガーソングライターがこの世界にいることもわかりました。自分の経験からエネルギーやインスピレーションを受けて歌にしている人、お客さんに思いのままに楽しんでもらいたくて歌っている人、自分の才能を信じて歌い闘っている人。それぞれに持ち味がありました。

 全編通じておもしろかったのは、オタクたちの勢いとノリで演者の方々がちょっと怯えていたこと。いつもと違う雰囲気だったのは多分僕らのせいだったんじゃないかと思う。関西出身の人たちは、うまーく煽ってきて、観客を味方にするっていう芸当をやってのけていた。ライブ慣れってのも大事なんだなと思いました。

 僕が見たシンガーソングライターの方々は、きっとほんの一部にすぎません。他方で、ライブハウスでお金を取ることができる人たちというのは、シンガーソングライターの中でも経験があってめちゃくちゃ上手い人たちであることが想像できます。

 この日見た人たちのほとんどが弾き語りでした。さらっとやってのけてました。どんな楽器にせよ弾き語りって本当に難しいんです。声というのは身体を楽器にして出すもので、弾き語りをするとなると、二つの楽器を同時に繰ることになる。これはとんでもないことで、並みの練習では到達できない領域です。ちょっとやってみようかなで、できる人がいたなら、今すぐそのギターを担いでニューヨークの酒場でNagashiでもやりにいけばいい。

 

 

 

 シンガーソングライターがなぜ弾き語りをするかというと、ライブ感を持ってひとりでオーケストラを操れるからじゃないかな、と思う。コードをハッキリだすことのできる楽器で、ダイナミクスを調整して、その場その場の自分の心のリアクションを含めた思い通りの表情にできる。アルペジオのような伴奏も、主旋律に対する対旋律も、打ち込みではできないリアルタイムなレスポンスを演奏に乗せることができるというのは、大きな利点だと思う。この意味でギターやピアノというのは、すごく便利です。

 他の楽器を複数のパートに割り当てて、ゴージャスなアレンジをするのは別の人の仕事です。このライブを見てアレンジャーの存在意義が腑に落ちました。詩を含めた曲を書いて歌を唱うのが、文字通りのシンガーソングライター。そこまででもとても大きい仕事だから、分業化するのもわかります。

 

 

 

 星咲さんは、今からそういうシンガーソングライターとして、歌の世界で戦ってみたいということを、どういうスタンスであれステージの上で宣言していたんです。一切の不安がないとは言わせません。だからこそ勇気のある人だと思いました。めちゃくちゃに強い人だと思いました。これはドチャクソ大きな挑戦です。歌がうまいだけじゃ、生き残れないんじゃないかって思ってしまう。僕はまだ星咲さん自身が書いた曲をまだ聴いたことがないから、シンガーソングライターとして活動する星咲さんを見るのがすごく楽しみな反面、祈るような気持ちでもあります。

 ただ、はっきりしてることがひとつだけあります。祈るだけじゃダメだってこと。星咲さんがこれからも歌で人生を謳歌できるように、僕たちファンは全力で応援しなくちゃいけない。*8僕も音楽が大好きだから、星咲さんにできる限りのエールを送りたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4, おわりに

 

 すべての演奏が終わると、最後に物販が行われました。星咲さんの物販は例のごとくチェキ。いつかどこかで、一回で良いから対面して応援してますと伝えたい。そう思って、はや2ヶ月。まさかこの日に対面できるとは思ってなかったから、最初の対面で名前を訊かれて、やっぱり訳がわからなかった。僕の心は超高速で回転するメリーゴーラウンドのようにピカピカでグルグルだった。写真で見るよりも圧倒的な可愛さだった。可愛さ流星群だった。ディアステージでの出来事が脳裏をよぎったので、自分の名前を言うのが大変だったし、言ったら言ったで星咲さんの頭にはてなマークがめっちゃ浮かぶのが見えたし、身体中のあちこちがマーライオンしていた。

 

 

 

 そもそも星咲さんについては、名前や姿を知る前から、本当に歌が上手い人だと思っていて。「この真昼ちゃんの歌を歌っている人、誰だろう……めっちゃ歌うまいな……ビブラート完璧やんけ……えぇ!?ゆず先輩も!?!?エエエッッ!!?!????まどかちゃんもそうなの!??!?!!!?!!!」みたいな勢いで惹かれていったわけで。武道館のときも、瞬時に歌い分けを切り替える様子をみて、天才だ……って茫然自失になったこともあって。

 

 

 

 そういう感想が言いたかったけど、全然言えなかった。言えなかったから、結局3週も回ってしまった。奇跡的に、最後の最後の一枚のチェキをもらえた。手渡しで。両手で受け取って、卒業証書授与みたいな貰い方をしてしまった

 最後の対面は少しだけ長かった。楽器の経験はあるんですかと尋ねたら、ほとんどないとのご返答でした。DSアンプラ*9のときのギターを使ったのが最近の出来事で、Fのコードを抑えるのが難しいって仰ってました。

 本来の意図としては、これだけ歌がうまいのだから、何かしら音楽的なルーツがあるに違いないと思っての質問だった。けれども、星咲さんからの返答を受けて、僕は驚いた顔をしていたと思う。僕は「難しいですよね」なんて言ってヘラヘラ笑っていたけど、心はめちゃくちゃに泣いていた。やっぱりすげー人だと思った。*10

 

 

 

 チェキが枯れたのを見届けて、星咲さんからのコメントを貰って、拍手で見送って、終電ギリギリの時間にライブハウスを抜けて、青白く光る街頭が反射する渋谷の坂道を、半泣きになりながら駆けた。ときめきがオーバーヒートして、駅まで走り続けた。いつもの帰り道とは全然違う景色だった。僕も好きなことのために動かなきゃと思った。

 

 

 

  この記事はここでおしまいだけど、星咲さんの活動はまだまだ続くし、なんならTwitterの公式アカウントも開設されました。これからの活躍が楽しみでしょ?フォローしようね。そんでもって一緒にライブ行きましょう。

 

 

 

 

 

 

 この日、井の中の蛙に素敵な歌と新しい世界を見せてくれた星咲花那さんへ、改めて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

以上で私の演説を終わります。

ご清聴ありがとうございました。

 

 

  

*1:希望する人が多ければ記事にしてみようと思います。2万字はあるので覚悟してください。

*2:アイカツシリーズの歌唱担当をしてくれていたことも、クラシカロイドの歌を歌っていたことも、本当に感謝しています。絶対に忘れません。

*3:SWATの中将、AKGの人たちのことなんですけど、暗殺の恐れがあったので書くのをやめました。

*4:ぐるり宮ヶ瀬湖|公益財団法人 宮ヶ瀬ダム周辺振興財団

*5:静かに泣いていたとはいえ、連番のRさんからガチ泣きしてんじゃん(草)と言われるぐらいには目立っていたかもしれません。両隣の人、すみませんでした。

*6: 踊りながら歌っていたときも感じていたと思いますが、音圧がヤバい。おそらくマイクのゲインをほんのわずか、ミジンコがちょっと動いた、そのぐらいの調整で済むレベルで声が出る人なんだと思いました。

*7:そのラインを基準にした先生や先輩と出会って一緒に練習をしたとき、それを満たすことができなくて、1週間楽器が弾けなくなるぐらいに、死ぬほど怒られた経験がある。音程とリズムってのは、あの世界では大前提だ。

*8:もちろん、自分たちの人生も大切です。今ある資産や人的資本をすべてなげうつ必要はない。自分たちのできる範囲で、応援をすればいいと思います。

*9:ディアステージ所属のアイドルによるアコースティック生演奏ライブのこと。たしか2月とかにあった。僕は残念ながら行けていない。

*10:僕なら折れてる。