小春ちゃん、S4目指すってよ

 

これまでのあらすじ

  僕はこれまで、アイカツスターズのリアルタイム視聴ができないことを幾度となく悔やんできましたが、94話がその最たる例になるとは微塵も思っていませんでした。

 神様仏様虹野様、私は非常に後悔しています。仕事を終えてから気兼ねなくツイッターを開き、滝のように流れてくる狂気的postの中から、なんの躊躇いもなく最新話キャプチャ画像を開いてしまったことを。

 

  

そのキャプチャ画像には

「S4を目指す」と宣言をする小春ちゃん

が、写っていました。

  

 

 僕が94話を視聴したのは、この画像を見てから34万2000秒後のことでした。カップラーメンにして1900個分、劇場版アイカツスターズにして38回分もの時が流れたのです。永遠とも思える時間の中で、僕は労働に勤しんできました。このまま僕が退勤することはないのではないか、過去の僕は誤って5億年労働ボタンを押してはいないだろうか、小春ちゃんに二度と会えないのではないか。そんな恐怖と闘いながら、営業スマイルをコピーアンドペーストして、僕なりのアイカツを続けてきたわけです。

 

  

 さて無事に月曜日を迎えた僕はS4を目指そうとする小春ちゃんが初めて仲良しメンバーにその心を打ち明けるシーンによって脱水症状を呈し、そのまま息を引き取りました。享年25歳。あまりに短いその人生を、七倉小春ちゃん共に振り返ってたまるか。ヒロイックな僕の生涯を語るよりも、ヒロイン小春ちゃんの話をさせろ。ちなみに死後の世界は小春ちゃんのいない世界だったよ、とてもつらい。

 

  

94話「真昼の輝き」について

 94話は、真昼ちゃんを軸としたストーリーが描かれていました、これまで香澄真昼に関わってきたすべての人々が一堂に会する総決算的おはなしであったと言えるでしょう。この話の解説は他の香澄真昼限界オタクたちに任せるとして、私はこの真昼ちゃんのストーリーに付随していた七倉小春ちゃんのお話*1をしようと思います。

 

 ここからは、小春ちゃんの「S4になる」という宣言を迎えることになったゆめちゃん、ローラ、あこちゃん、真昼ちゃん*2、それぞれのリアクションを通して、小春ちゃんと彼女たちとの関係性を考え、そこから何を得てきたのかを振り返ることにしましょう。

 

ローラと小春ちゃん 

 真昼ちゃんの「ゆめと戦う機会はこの先いくらでもある」という旨の発言に対して、心配するあこちゃんをよそに、ローラは真昼ちゃんと同じ美組の小春ちゃんに話を振ります。こういうときの桜庭ローラさんは本当に賢い。S4として前に立つ人たちの心をどう奮い立たせるのか、彼女は常にそれを考えて行動してきたと言っても過言ではないでしょう。

 

 思えばローラは自身のSPRドレスを作る際に、小春ちゃんのお部屋とお力を借りていました。幹部同士となった今、私達の見えないところで交友を深めていたに違いありません。ズルくないですか?僕も四ツ星学園の幹部になって小春ちゃんのお部屋に入りたいです。ギリギリの部屋着を着た小春ちゃんに自分の上着をかけてあげることのできる世界の母体を探す必要があります。Just Do it.

 

 話を戻しましょう。ローラに話を振られた小春ちゃんは「今言うの!?」と言わんばかりの戸惑いの表情も見受けられましたが、このタイミングで言うことに意味を見出したのでしょう、小春ちゃんは彼女自身の言葉でゆっくりと意志を語り始めます。

 こうしたシーンから、ローラと小春ちゃんの関係は、お互いの知恵と思慮によって深く結びついた関係であると言えるでしょう。

 

 

あこちゃんと小春ちゃん

「ああぁぁぁ、きょ、きょはりゅー!?」

という小春ちゃんの心的事情を微塵も知らなかった声色と表情のあこちゃんを見ることができて僕は本当に嬉しい。あこちゃんが不憫キャラになってからというものの、すべてのムービングが彼女を輝かせている、そう思います。

 

 しかしながら、アドカツという合言葉が象徴するように、小春ちゃんと一緒に仕事をすることが多そうなあこちゃんが彼女の意志を知らなかったというのは、あこちゃんにとっても非常にショックな出来事ではなかったのでしょうか。と同時に、大親友の小春ちゃんが自分たちと同じポジションに立とうとしてくれることが、どれだけ嬉しかったことでしょう。小春ちゃんの言葉を聞いたあこちゃんの気持ちは、楽屋外からこっそり覗き見をしていた香澄朝陽*3と同じであったに違いありません。

 

 ところで真昼ちゃんのステージの前、真昼ちゃんがどこにいるかという推測をあこンピューターが行うシーンで、小春ちゃんはとても柔らかい笑みを浮かべていました。小春ちゃんは自分の気持ちを積極的に表に出すことが少ない一方で、あこちゃんはすこぶるわかりやすい女の子であります。ゆえに小春ちゃんはあこちゃんのことを「可愛い」と形容するのでしょう。聡明な読者の皆様は既にご存知だとは思いますが、僕はあこちゃんを可愛く見つめる小春ちゃんが優勝だと思っています。平昌オリンピックアイカツ部門、小春ちゃんに大きな喝采と金メダルを。

 これまで見てきたように、あこちゃんと小春ちゃんの関係は、非常に健全な友情によって結ばれている関係であると言えるでしょう、

 

ゆめちゃんと小春ちゃん

 今回のトピックにおける最大の焦点になりうる関係、それがゆめちゃんと小春ちゃんです。にわかには信じがたいのですが、ゆめちゃんはこの話を知らなそうな顔でしたね。月の美しい夜にあれだけ大胆な告白をしたというのに、と思う方もいらっしゃるかと思います。しかし冷静に考えても見て下さい。結婚生活のような緊密な関係が始まってからの方が、秘密は多くなるものではありませんか。僕も小春ちゃんを推してからというものの、プライベートは慎重な行動を取らざるを得なくなっています。自らの限界性をひた隠しにして社会生活に溶け込むというのは、とても難しいものですね。

 

 では小春ちゃんの意志を聞いたゆめちゃんがどんな表情だったかというと、素敵な笑顔をしていました。小春ちゃんは皆に向けて、ゆめちゃんと一緒にステージに立ったことで自分の可能性を改めて感じ、自分がデザインしたドレスで自分だけのステージをやってみたい、と語ります。この言霊が小春ちゃんの口から放たれたとき、僕の自室はさながらノアの洪水でした。終末のラッパが6つ目あたりまで鳴っていたような気がします。実際僕はもう死んでますしね。人間は水でできている*4ということを実感させてくれる時間であったことは確かです。つまるところ、それだけ心に響く言葉であったわけです。したがってゆめちゃんも、どうして教えてくれなかったの?とは言いません。ゆめちゃんもまた、小春ちゃんから新しいアイカツへのモチベーションを貰ったのですから。

 

 総括すると、ゆめちゃんと小春ちゃんの関係は、互いに勇気を与えあう関係であると言えるでしょう。

  

真昼ちゃんと小春ちゃん

 最後に、同じ美組の真昼ちゃんと小春ちゃんについて、覗いてみることにしましょう。ライバル宣言であることを確認した真昼ちゃんに対して、小春ちゃんは「もちろん!」と声を上げます。あぁ、僕はこの小春ちゃんの、両腕を前にして頑張る意志を強調するポージングを見るためにこの25年間生きてきたんだ。そう思うと涙が止まりませんでした。小春ちゃんに捧げた私の心臓から送り出された血液が、私の全身を祝福しているのがはっきりとわかりました。

 

 この後すぐにふたりは「私、待たないわよ」、「追いついてみせる」というやり取りを見せてくれました。お互いの実力をよく理解している証拠で、ここはやはり美組同士というところでしょうか。思えば一年生の頃、真昼ちゃんのツンとした在り方や姉に対する感情を雪解けさせたのは、七倉小春ちゃんその人でした。香澄夜空の妹であることを意識せず、真昼ちゃんそのものを見つめていた小春ちゃんが、真昼ちゃんが何をすべきかを指し示してくれたのです。

 

  念のために述べておきますが、小春ちゃんを推す流浪の民の多くが、まさか彼女の口からS4になりたいという言葉が聞けるだなんて、これっぽっちも思っていなかったに違いありません。大多数のファンが、あこちゃんのような反応をしたに決まっています。しかし、真昼ちゃんは違った。まるで彼女は、その宣誓を待っていたかのような素振りでした。我々にとってはあの姿こそ「正義」であり、「真昼の輝き」でありました。

 

 改めてふたりの関係を振り返ってみたとき、真昼ちゃんと小春ちゃんの関係は、自分自身の正義を互いに照らし出す関係であったと言えるでしょう。

 

 

 

春ちゃんと<4つの徳>

 さて、これまで小春ちゃんと4人の四ツ星学園仲良しメンバーとの関係について、かいつまんで述べてきました。これらの関係から表象される言葉を抽出してみると、「知恵」・「友情」*5・「勇気」・「正義」という4つのキーワードが現れてきます。

 

 なんということでしょう。私は驚きのあまり、電気ウナギの如く超人的かつ心霊的な身体屈伸により電流を生み出し自らの心臓を刺激、天文学的な確率をすり抜けて*6再び現世に舞い戻ってしまいました。この4つのキーワードは既に2400年ほど前に、古代ギリシアの哲学者プラトンによって国家にも個人にも共通して持たれるべき徳目として挙げられていました。七倉小春ちゃんが人類史において主要な徳として考えられるもののすべてを、周囲の人間関係を構築するなかで生み出していたことが証明されてしまいました。

 

  また皆さんの中にある小春ちゃんへのハートを急上昇させてしまったこと、光栄に思います。こうした物語に立ち会えた奇跡を噛み締めて、アイカツ武道館へ向けてウォームアップしていきたい所存です。

 

  それでは最後に、小春ちゃんへの短歌を添えて、この記事を締めくくりたいと思います。

 

 

春ちゃん

ありがとう

 

 

 

 

*1:虹色と兎さんが描かれた私服、「幼馴染のゆめちゃんだけど、同じ美組なのは真昼ちゃん」云々というセリフなどなど、筆舌に尽くしがたい多くの話題がこの回には詰まっていますが、今回は温めておくことにします。次に皆さんとお会いしたその時まで。

*2:春ちゃんによる呼称遵守

*3:暴虐無道な香澄家の男、小春ちゃんにセクハラを仕掛ける機会を常に狙っている諸悪の根源、アイカツスターズ界のバルフォア宣言

*4:僕は霧矢あおいちゃんの大ファンであることをここで宣言しておくべきでしょう。このタイミングでこうした言葉選びをすることの意味を僕は理解しています。皆さんが投げつけてきた石は、私が丁寧に磨き上げ、七倉小春ちゃんに縁のあるパワーストーンとして、メルカリで転売します。

*5:ここで言う「友情」とは健全な思慮を保った関係であることを示しています。ゆえに行き過ぎた友情とは全く別の節制的友情と捉えることができるのです。

*6:皆さんはそんなバカなことがあってたまるか、こいつを生かしておいてはいけない、と今まさにスマホの画面を叩き割ろうとしていることでしょう。しかしながら、ここでフォトカツのガチャを想起してみてはいかがでしょう。推しのPR出現確率が上がっているにも関わらず目当てではない他の低確率PRフォトを引いてしまうという事態に遭遇してはいませんか。まさにこれこそが天文学的確率のすり抜け、みなさんが実際に体験している事象なのです。