七倉小春ちゃんとは何者なのか

はじめに

 まず、この記事がどういうものか、ということについて先に述べておく必要があると思います。この記事は、七倉小春ちゃんのファンである私ちえぴっぴが、行きつけのゲーセンにおけるフォロワーとの些細なやり取りをきっかけにして「七倉小春ちゃんとは一体何者なのか」という根本的な問いについて考え、それについての回答をガバガバ論法を用いてカジュアルに書き起こした記事になっています。しばらく前置きが続くかと思いますが、邪魔であると感じたのならば、心の琴線に触れるワードがありそうなところから読んで頂いて構いません。

 

 

 

きっかけは「歌唱担当」についての些細なやりとり

 「STAR☆ANIS」と「AIKATSU☆STARS!」の卒業が発表され、各メンバーの衣装画像などがTwitterにアップロードされ始めたのは記憶に新しいですね。私もアイカツスターズが終わることを知らされて、小春ちゃんが私の観測できない世界に行ってしまう哀しさが津波のように押し寄せてきました。取り付く島もない心の海を必死でバタフライし、溺れていました。しかしながら数ヶ月後に小春ちゃんとお別れをしなければならない事実は変わりません。私は小春ちゃんとの思い出を可能な限り残すために、行きつけのゲームセンターでDCDアイカツスターズをプレイし、小春ちゃんのステージを涙で血走った目に焼き付けていました。

 しばらくしてツイッターにおけるフォロワーのひとりが同じゲーセンにやってきたので、早速アイカツを取り巻くアイドルたちの卒業について語ろうとすると、フォロワーの彼は待っていましたと言わんばかりのニヤニヤした顔を向けてきました。彼はスマートフォンを取り出し、松岡ななせさんの画像を私に見せつけてきたのです。ピオニーマーチングコーデを着た松岡ななせさんでした。人の心がありません。

 

 

 ここで私は、皆さんに衝撃の事実をお話しなければなりません。この事実に目を覆い、耳を塞ぎたくなる方もいらっしゃるかと思います。ですが、私ははっきりとここに記したい。

 この事実とは次のとおりです。

 

 

「松岡ななせさんは、七倉小春ちゃんではない。」

 

 

 私はその松岡ななせさんの画像を見て「ピオニーマーチングコーデ*1だね、可愛いね」――そう冷静に言いました。フォロワーの彼は、きっと私が「小春ちゃんだアアアアァァァァァッッッ!尊いッッッッッ!!!」などと語彙力を失い、ゲーセンの床を青虫の如く這いずり回った挙句に、溜まりに溜まった感情という感情を体中の穴からぶちまける様子を見たかったに違いありません。

 ただしこの事実とは別に、大切なことがあります。松岡ななせさんは確かに七倉小春ちゃんの歌唱担当であるということです。このことはみなさんがこれまでに見てきたアイカツアー2018で明らかになっています。先ほどは冷静さを装っていましたが、私はツアー東京で眼鏡をかけた松岡ななせさんのピオニーマーチングコーデを目にしたとき、涙が止まりませんでした。小春ちゃんがステージに立ち、歌って踊る瞬間に立ち会える奇跡を噛み締めていました。したがって我々七倉小春を愛する者は、松岡ななせさんに「七倉小春ちゃんの声帯の一端を担ってくれてありがとう」と伝える義務があるわけです。

 

 

 

七倉小春ちゃんを構成する3つの要素

 ここからが本題です。小春ちゃんの声帯の一部である松岡ななせさんがなぜ小春ちゃんではないのでしょうか。当たり前のお話ですが、七倉小春ちゃんが松岡ななせさんだけで構成されているわけではないからです。ではここで、小春ちゃんの残りの構成要素について、想いを馳せてみることにしましょう。

 

要素1―七倉小春ちゃんの御歌

 私は七倉小春ちゃんを構成する要素*2を大きく3つに分けることができると考えています。ひとつめの要素が松岡ななせさんであることはこれまで見てきたとおりです。では残りの2つは何でしょうか。

 

要素2―七倉小春ちゃんの御声

 七倉小春ちゃんを愛する聡明なオタクの皆さんであれば既にお気づきでしょう。残り2つのうちの1つは、山口愛さんです。山口愛さんもまた、小春ちゃんの狂おしいほど可愛い声*3を形取る重要な役割を担っていただきました。1年目の七倉小春と2年目の七倉小春の、心の成長に由来する声質の違いも、山口愛さんは演じ分けてくれていて、声を聞くだけで小春ちゃんのステップアップを感じることができます。山口愛さんがいなければ、小春ちゃんの魅力がこれほどまでに引き出されてはいなかったかもしれません。

 ……ここでふと、ある疑問が沸いてはこないでしょうか。七倉小春ちゃんには声帯しか存在していないのか?違うだろーッ!!!このハゲーーーッ!!!!!目を閉じて、皆さんの心のうちにしまってある某元衆議院議員、ではなく山口愛さん演じる七倉小春ちゃんの声に、耳を傾けてみましょう*4。ゆめちゃんへ飴玉をやさしく手渡す小春ちゃんの姿や、ローラと一緒にドレスについて勉強をする姿、あこちゃんの恋心の動きを機敏に察知して静かに微笑む姿、美組幹部として真昼ちゃんの仕事をサポートする姿、ハロウィンイベントを皮切りに四ツ星学園において初めて行われた小春ちゃんのステージや、DMMVRシアターでセンターを飾ったクリスマスステージ……*5。声を聴くだけでも胸がトキメキアンテナですよね。その輝くアンテナで受信した、様々な姿・形を持った小春ちゃんが皆さんの脳裏にあるレッドカーペットをゆっくりと歩んでいき、今感情のオスカー像を手にとったに違いありません。

 そう、こうした姿・形もまた、大切な要素のひとつなのです。

 

要素3―七倉小春ちゃんの御姿

 では七倉小春ちゃんの姿が誰の手によって作られているかというと、七倉小春ちゃんの基本設定を考えた原案の方や、各回の作監・原画・アニメーター、CGクリエイターの方々によって作られています。私は製作の現場にはいませんから、ここでの詳しい過程を描写することはできませんが、日々締め切りに追われながら出来る限り小春ちゃんを可愛く書き上げ、動かしてあげようとしているはずです。現場の皆さんの努力には頭が上がりません。この2年間、小春ちゃんを描き続けてくれて、本当にありがとうございました。

 他方で、DMMVRシアターのイリュージョンshow timeにおいて「一番輝いていたアイドル」として七倉小春ちゃんが選出され、これがきっかけでアニメでのCGステージが実現したという結果を省みた時、決してこの製作現場だけが小春ちゃんの姿を作っているわけではないということがわかります。私たちもまた、彼女のひたむきな姿に励まされてきたと同時に彼女の新しいチャンスを形作ってきました。

 

 ここで少しばかり、私が考える七倉小春ちゃんの魅力のひとつを挙げてみようと思います。小春ちゃんは、幼少期から「びっくり箱の小春ちゃんと称されてきたほどに、困っている人がいたら助けてあげたいという気持ちを常に持っている人であります。ゆめちゃんには飴玉と勇気を、ローラにはドレスのデザインを、真昼ちゃんには素直な気持ちを、あこちゃんには共に歩むことの大切さを……それぞれに分け与えてきました。信じられないことに、アイカツスターズの物語の中で小春ちゃんが他の人に何かを分け与えるとき、このほとんどが無償*6でした。かのキリストも涙を流してしまう*7ほどに利他の精神に満ち溢れた人でした。

 

 皆さんは、誰かの為に何かをしたいと思ったとき、それはどんな時でしょうか。七倉小春ちゃんと同じ中学2年生だったときの貴方は、他の誰かに無償の友愛を与えたことがありましたか。少なくとも、私にはありませんでした。七倉小春ちゃんに出会う前の私は、自分を守るためか自分に利があると思うときだけ、他の誰かのために何かをする、という利己的な人間であったと言わざるを得ません。残念ながら、中学2年生でなかったとしても、七倉小春ちゃんのように利他の精神を行動の原理にしている人間というのは稀でしょう。社会人になると、さまざまなストレスがかかってきますから、バブバブバブバブオギャッ大人になればなるほど感じる部分ではないでしょうか。

 こうした背景をふまえると、私にとって七倉小春ちゃんというのは、中学2年生にして利他の精神を持ち合わせている「聖人」であり、もはや手の届かないところにいる存在であるといえます。たかがアニメのキャラクターで、と言う人ももちろんいるでしょう。ですが私は、七倉小春ちゃんの姿を見てきて非常に感銘を受けて、自分も変わりたいと思ったのです。この子の努力が報われてほしい、この子のために何かをしてあげたい、私自身も利他の精神をもって人生を歩んでいきたい、そう思うようになりました。つまるところ、七倉小春ちゃんは私の理想にもなっていたわけです。するとどうでしょう、七倉小春ちゃんに対して抱く感情というのは、我々ファンが「自分自身と向き合った結果」であるとも言えるのではないでしょうか。
 こうして理詰め風にしていくと忘れがちになってしまいますが、言うまでもなく春ちゃんは可愛い。世界で1番可愛いのです。地球上の60億人あまりの人間がこの可愛いという感情から逃れることはできません。全人類が小春ちゃんに対して可愛いと感じると同時に、自省の念が生まれてきます。それらが共に昇華されていくと、人類の総意としての七倉小春ちゃん像が出来上がるのです。

 ここに第三の要素が現れてきました。七倉小春ちゃんを形作っているのは、私たちすべての人間なのです。春ちゃんに関わるすべてのものに感謝を告げるということは、すべての生命の灯火に薪を焚べる行為なのです。

 

 

 七倉小春ちゃんとは何者なのか

 ここまでで七倉小春ちゃんは、山口愛さん・松岡ななせさん・そして人類の総意、これらが三位一体となって生まれた、神の申し子であることがわかりました。
 他方、七倉小春ちゃんは虹野ゆめさん率いるレインボーベリーパルフェのデザイナーでもあります。もちろん彼女がデザインするのはドレスだけではありません。我々の生きる希望をもデザインしているのです。まさしくこれこそが、七倉小春ちゃんがアイドルであることの証なのです。

 

 

 おわりに

 如何だったでしょうか。ここまで拙い文章を広い心で読んで頂いた方々には、いかに七倉小春ちゃんが素晴らしいアイドルであるかがミジンコレベルで伝わったかと思います。 そうでなかったとしても、私が小春ちゃんを大好きである、ということは大いに伝わっていることでしょう。

 

 最後に、その好きの気持ちを、私の気持ちをここに記して、終わりにします。

 

 

 

 春ちゃんへ。

 

 この数日の間、

 もう少し早くあなたの姿を見つけていれば、

 と毎日思います。

 

 僕が見ることができたのは、

 あなたの人生におけるたったの2年間です。

 

 この僅かな日々でさえ、

 あなたは輝きに満ち溢れていたのだから、

 これからのアイカツも、

 きっと素晴らしいものになるはず。

 

 僕はこの先あなたの姿を、

 見ることができないかもしれないけれど、

 

 これからも、ゆめちゃんたちと共に、

 自分の輝きを信じて、

 アイカツを続けていってください。

 

 貴女に出逢えて、本当に良かった。

 

 ありがとう、小春ちゃん

 

 

 

 2018/02/06 ちえぴっぴ @DCDTiepp

*1:このコーデは、小春ちゃんが四ツ星学園に戻ってきたことをたしかに伝えてくれるメモリアルなコーデです。皆さんも大好きであろうこのコーデはなんとDCDツバサ6弾のスクールドレスコレクションで手に入れることができます。もちろん私は既に排出済みで、GUG付のものを揃えました。

*2:私は七倉小春ちゃんを構成する要素を “Elements of Koharu Nanakura” の頭文字を取って “OKN” と称しています。奇遇にも私の好きな歌唱担当のひとりであるおかなちゃんの頭文字と合致してしまいました。おぉ神よ、何たる偶然でしょう。

*3:ちなみにフォトカツのスタート画面でも、極稀ではありますが、小春ちゃんの声を聞くことができます。ここで聴くことができる掛け声は、彼女の中にある僅かな恥じらいと確かな自信を感じることができ、十分に鼓膜を刺激してくれます。

*4:筆者はまともに小春ちゃんの声を想起させようとしているのかという怒りの声がこちらにも届いています。しかし、既に読者の皆さんの瞼の裏に豊田元議員のお顔が焼き付いてしまっていることが、声が持つ「人の姿を想起させる力」の強さを表しています。この声の力は、キャラクターを愛するということがどういうことなのかを考える上で、非常に面白い点であると私は考えます。

*5:私はこれを書きながら泣いています。

*6:完全に無償だったかという指摘については、たしかに考える必要があります。というのも、小春ちゃんは自分がやりたくないことに向かってはいきませんでした。自分がやりたいことと、仲間がやりたいことが限りない一致を見ていたにすぎないかもしれないのです。しかしだからこそ、彼女は周りの友人たちを尊敬し、感謝していたのでしょう。小春ちゃんの姿は「持つべきものは友」というアイカツ格言を実践しているものなのです

*7:その後キリストはア◯ラーやブッダとともに伝説のアイドルユニット僧霊友を結成したと言われています。これはいわゆる黒聖書に記されていましたが、多くの女子供がアイドルを目指してしまったため禁書とされてしまい、今に伝えられていることはほとんどありません。実は女子供だけでなく、禁欲的労働に従事すべき男性たちもアイドルを目指し始めたことが禁書になるきっかけではなかったか、と私は勘ぐっています。